日常生活で鉛(なまり)を必要とすることはあまりないかと思いますが、釣りのオモリやカーテンの裾部分などにちょいちょい使われています。
「鉛」って意外と高価なんですよ~
今回、車やボートで使用するバッテリーから「鉛」のみを抽出してみました。
バッテリーから鉛?
写真のバッテリー1つが約16 kgあります。男性で自分の車を整備される方はご存じかと思いますが、バッテリーは意外と重いのです。
この見た目の大きさと重さとのギャップで内部には結構鉛が使われているのでは?という疑問から実際に作業をしてみることにしたのですが結果はいかに・・・
古く使わなくなったバッテリー4つを使用しますが、1つのバッテリーに使われている鉛とはどの部分にどれくらいの量があるのでしょうか。
早速みていきましょう。
バッテリー内部と鉛部分の確認
上部をぶった切ってみました。
バッテリー内部には、セパレータというプラス・マイナスの極板が数枚組みでストラップにより固定され、規則的に縦に並んでいます。
この極板一枚が見た目よりも重い。その周りは電解液 (希硫酸) で満たされています。極板自体は海綿状鉛なので溶けませんが、これらを固定しているストラップ周辺が鉛です。
バッテリーそのものの重さはほとんどがこのいくつも重なり合った海綿状鉛だったわけですね。残念ながら溶けるような鉛ではなく少しの力でボロボロと崩れてしまう別物です。
そして上部の突起したケーブルを繋ぐ部分の2つの端子も鉛です。
・上部の端子2ヶ所
・端子から内部に延長した部分
・内部の極板を固定するストラップ周辺
これらの鉛部分のみを工具等を使い取り出します。
純粋な鉛のみを抽出する
取り出した鉛の部分だけを集め溶かしていきます。
・使わなくなったフライパン
・カセットコンロ用ガス
・ガス用バーナー
動画から切り取った画像なので荒いですが、中心から左下に流れているシルバー色のものが純粋な鉛です。※上にある残った黒いものは他の金属と不純物。
鉛は形状によって手でも曲がるくらい柔軟でこのように熱ですぐに溶けてしまいます。
フライパンを斜めにしながらバーナーで熱を加えていくと純粋な鉛のみが流れ落ちていきます。その後そのまま熱が冷めるまで放置します。
鉛と金属(鉄・ステンレス・アルミなど)とは交わらないので、冷めた鉛に工具などでちょいと力を加えるとすぐに動きます。 ちなみに使ったフライパンはアルミ製です。
どれくらいの鉛が再製出来たか
バッテリー1つ約16kg、今回は4つ(64 kg)を使いました。それらから抽出することができた「鉛」の重さは果たしてどれくらいだったのかというと、
3.1 kg
想像以上に少ないという印象ですが・・・
そしてパーツ取り出し分別の際の無駄もありこのような数値になりましたが、もう少し丁寧に作業をすれば更に多く抽出出来たと思います。極板周辺が泥状だったので今回は目立つ部分しか集めていません。
型さえあればこの鉛の塊からいろいろな物を作成する事ができます。その様子もまたお伝えできればと思っています。
まとめ
決して真似はしないようにしてください。バッテリーの使用後は適切な方法での処分が義務付けられています。
バッテリーには資源として再利用できる材料が多く使用されていますが、人体に有害なものも使用されているため、専門業者による回収以外には廃棄や処分をする事ができません。
そのような理由からも個人で分解等を行うことは決してオススメしませんが、こちらのブログでバッテリー内部の構造を知っていただけるだけでもいいのかな~っとご紹介してみました。
このページをご覧いただいている方々はたぶんバッテリーに詳しい方もいらっしゃると思います。バッテリーといえばこの ACデルコ ですよね。自分もたまに湖でボートを使用していますが他と比べとても安心なバッテリーです。
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