普段全く手を掛けず振動のない場所にある壁掛け時計がいきなり止まりました。これはきっと単なる電池切れ!と思うのが普通でしょう。
ところが電池を交換しても全く動かない・・・
そこでムーブメント内をチェックして実際に修理をし再稼働させてみました。
簡単なので、新しく壁掛け時計を購入する前に是非試してみてください。
壁掛け時計が動かない原因
色々原因はあるかと思いますが、考えられるのは
- 電池切れ
- 電池ホルダー内ターミナル接地面の汚れ
- 基盤側ターミナル接地面の汚れ
が挙げられるので、順にみていきましょう。
壁掛け時計が動かない時の修理方法
時計内ムーブメントの取り外し
時計の裏側を見るとほとんど全ての時計がこのようなタイプかと思います。
- 針を動かすツマミ
- 電池ホルダーケース
- ※カバー取り外し用のビス
等があるかと思いますが、タイプによってはビスはなく、数カ所で固定されているはめ込み式もあります。
実際にこちらの時計はカバーを固定するビスが無くはめ込み式、しかもムーブメント全体を引っこ抜かないとカバーが外れないという・・・
というわけで、表側の「3本の針」を手で簡単に外し、時計裏側のムーブメント自体を外しました。
次に針を動かすツマミを引っこ抜きます(画像右:差し込んであるだけなので、精密マイナスドライバー等で)
ここからカバーを外しますが、見えていなかったツメをテコの原理でこじ開けカバーを外すことができます。
カバーを固定しているツメはタイプにより数カ所あるので目で確認しましょう。
ムーブメント内の確認
カバーを外すとこのような感じです。とてもシンプルですね~
この段階ではまだ基盤部分の様子が分からないので、各パーツの位置を忘れないように自分なりに記録し、作業に邪魔になりそうな歯車を外していきます。
こちらの画像のような茶金色コイルと一体化した基盤部分を取り外します。
その裏面がこちらです。
ご覧のように赤く囲った部分に水色の汚れが付着しているのが分かりますね。
まずはこちらをキレイに掃除します。拭いただけでは足りず600番のサンドペーパーで磨いてみました。
よーく見てみると、なんだか小さなキズのような?亀裂のような?状態が。
清掃後ターミナルがしっかりと接触してくれればいいのですが、なんだか心配だったので、↓画像内の赤丸グレー部分にハンダ付けで盛ってみました。
これでしっかりと接触してくれるはずです。ハンダ付け後の写真を撮り忘れ・・
このハンダ付けで盛った部分には、電池からの電流を繋ぐターミナル(↓赤矢印)が接触するのですが、その部分もキレイにすると同時にしっかりと接地するように角度も調整します。
念の為にもう1ヶ所確認したいのは、電池ホルダー内のプラスマイナスのターミナル接地面。この部分もサビや汚れがないか確認をします。ですがここは分解等必要なく一番最初に確認できますね。
これらが完了すれば基盤を元の場所に戻します。
時計修理後の動作確認
ここまでくれば実際に動くかどうかを確認してみます。
基盤に一番近い歯車のみ(↓青矢印)を元の場所に戻します。そこから順に連動する歯車は後でも構いません。
まずは最初の歯車が回らないことにはもちろん他の歯車に連動することは不可能ですからまずは最初の確認をおこないます。
電池をセットすると、青矢印の小さな歯車がカチッカチッと秒毎に動くのが確認出来ました。
この段階で動かなければ、組み立てても意味がありません。
動くことが確認できたので、電池を外し、他の歯車も慎重にセットします。
各歯車の先端突起がカバー内の規定位置に収まるようにしっかりと閉めます。
ここからは元の時計のスタイルに戻していくだけ。
最終的に電池を入れ、動けば修理完成です!
その後は、秒針が正常に動いているか気になって仕方ありませんでしたが(笑)、せめて24時間、いや2,3日はしっかりと動き続けてくれているか気になるばかり・・
まとめ
実は、ムーブメント内部の各ターミナル接地面の掃除をし一度は再稼働したのですが、同日にまた止まってしまい今回2度目の作業にて正常に直りました。
一番気になっていた、基盤側ターミナル接地面の小さな亀裂とキズへのハンダ付けの対処の他に思いつくところがなかったのですが、こういった簡単な仕組みは、目に見える原因があるかと思うので、しっかりと確認をし直していきたいですね。
今や壁掛け時計なんて安いですし、しかもムーブメントのみの別売りもありますが、できる事ならその場でサクっと直したいですね。もちろん今回は無料です。
同じ場所にある見慣れた時計というのは落ち着くものです。
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