チェーン同士や輪型リングとの接合にはこのシャックルが使われることが多いですね。
とても丈夫で使い勝手が良いシャックルですが、たまにこんなトラブルも。簡単な対処方法をご紹介いたします。捨ててしまう前にお試しください。
よくあるシャックルの問題とは
ステンレスの場合、海中でも使われることが多いのですが、破損する場合はシャックル本体側ではなく、ほとんどが「ボルトのオネジ」がスリ減ってしまう現象です。
ボルトの先に施されているネジがシャックル本体のネジの受け側にピッタリと締り込まれるのが通常ですが、オネジがすり減ってしまうとスカスカ状態でいつ外れてもおかしくありません。
ボルトの端にピンでロックをしていても肝心な部分の損傷は危険です。
また、作業中にボルト側が紛失した場合も困ってしまいます。
そんな時には破棄する前に何かで代用してみましょう。
代用品でシャックルの効果はあり
準備するのは【ボルト】と【 緩み止めナット 】のみ。
ボルトサイズは出来ればシャックルのボルトが通る輪に入るもしくは既存のメネジにぴったりハマるサイズが理想的です(太いほど良い)。
【 緩み止めナット 】は 文字通り緩まないことが前提で使われているナットです。海外では「ロッキング・ナット」と呼ばれていますね。
ナットの端にあるナイロンリングにボルトのオネジが通ることにより始めて受け側としての形が形成されます。その摩擦により緩みが止まるというわけですね。
ボルトのネジ幅より太さ重視
この部分は逆側の湾曲した部分同様に直接引っ張られる部分なのでできるだけ太いものを選択しましょう。
ほとんどのボルトのネジ部分の幅がシャックルの内側の幅よりも広いと思いますが、問題なく使用出来ます。(ボルトの先部分にのみネジ山があるものが最適ですね。)
ネジ山が気になる方は更に長いボルトにするとよいかと思いますが、太くなってしまいシャックルに入らない、もしくは細くなるかと思うので適度なボルトを探してみましょう。
このボルト部分にロープを繋ぎたい場合には、ロープを直接ではなくシンブル(キツネコース ※下写真参照)を配しアイスプライスを施してからシャックルと接合すると思います。ということはロープがこのネジ山に直接干渉することなくボルトとシンブル (金属同士) が触れるのみとなります。
金属同士なら尚更問題ありません。シャックルの内側にネジ山が並び、その部分がシンブル等の金属により磨り減ってしまっても肝心な部分(シャックル本体のボルト受け側)には何の影響もなく、その後も取り外しができます。
ピンの代用とナットの緩み防止
通常シャックルのボルトの端にはピンを通す小さな穴があり、そこにピンまたはワイヤーなどを通しシャックル本体と絡ませ、ボルトが回ってしまわないようにします。
例えば、ボルトのオネジが磨り減ってしまってスカスカ状態になってもボルト自体は外れないということ。
ですが、代用品では「緩み止めナット」を締め込むだけなのでピンのようなロックがありませんね。
この場合、シャックルに対しナットを通常よりも少し多めに締め込みましょう。そうすることでシャックル自体は戻ろうとする力を常に外側(ナット側)へ加えます。
そうする事により緩み止めナットに対し常にテンションを与えられることになり緩み止めナットが更に強化されるというわけです。
イメージするなら、スプリングワッシャーです。
スプリングワッシャーも常に外側へテンションを与えているためナットが緩まないという原理と同じです。
まとめ
このように、ボルトのネジ側にダメージを受けてしまっても代用品でシャックルが蘇ります。
私はあることに海中で使用していますが、全く問題なくシャックルとしての役割を果たしてくれています。
捨ててしまう前に試してみるのはいかがでしょうか。
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