調子の悪い「SHIMANO TWIN-POWER/XT」の分解です。作業後は断然動きが軽くなりますッ!
コンディションは、
- 長年使用していない
- ハンドルでどうにか回るが余力では自力で回らない
- 回すと若干ゴリゴリ感がある
長年使用せず、このような症状が出ていたので改善していきます。
リールで良くある不具合というと、こういった回転に関することが多いかと思いますが、すぐに業者さんへ依頼するのではなく、その手前で対処をしてみましょう。
リールの回りが悪いボディ内部を確認
ボディのフタとガードは数個のビスで固定されているだけなので、それらを外せば画像のように内部が確認出来ます。
動作確認の為に外せるパーツは全て外します(これらは簡単に元に戻せます)。
- ドラグつまみを半時計回りで外す
- ラインが巻かれているスプールを外す
- 軸にあるワッシャーとギアリングを外す
- ナット緩み止めビスを外す
- 中心のナットを外す
- ローターを外す
- ※ ベアリングの入ったクラッチを外す
- ハンドルを外す
- 角のガードを外す
- ボディのフタを外す
- 最初に見える丸いギアを外す
ここまでくれば画像↑のようになります。特殊でない限りほとんどのリールがこの工程で画像のような状態になるかと思います。
※ ↓こちらの画像のピンク矢印部分のクラッチ内にもベアリングが入っているので、数カ所のビスを緩めケースごと外します。このままでも作業は出来ますが、作業がし易いため外しています。
リールの動作確認
↑画像内右の青矢印部分の軸を指で摘んで回すと、画像内左の緑枠内の一連の動作を見ることができます。
緑枠内の各パーツに引っ掛かりが生じる様な目立つ汚れや破損がなければほとんどの場合、メインのギア(主軸)に取り付けられているベアリングに問題があると考えられます。
↓画像左内の赤矢印内にベアリングが内臓されています。
画像右の青矢印の先の内側のリング状に見えている部分は黄色の軸と一緒に回るので、矢印先の内部が問題のようですね(回転している部分とベアリングが接地)。
全てのパーツをバラしてこのベアリング部分をもう少し出したいところですが、今回はこれ以上の分解はやめこの状態で進めていきます。
ベアリング内の汚れを出来るだけキレイにする
まずは、ボディ内部全体をキレイにしましょう。私の場合は強力なエアダスターでギアやベアリング周辺を吹き飛ばしました。結構汚れカスが飛び散って出てきましたよ(この作業は重要です)。
次に、ピンク矢印の先、なるべく奥(内部のベアリング)周辺へ、潤滑剤スプレーをたっぷりと吹きかけます。
そして、軸を回してまたスプレー、この作業を何度か繰り返します。
この工程で多少は回りが改善されたかどうかという感じかと思いますが、正直 正常値にはまだまだ遠いということで、
ベアリング周辺にたっぷりと潤滑剤スプレーを吹きかけ、逆さにして少々力を加えていきましょう。
床にタオルなどを敷き、コンコンと叩くように軽く振動を与えます。
そうすると、茶色くなった潤滑剤と共に汚れやカス、古いグリス等がベアリング周辺から落ちてくるのが分かります。
画像はその後撮ったモノなので汚れはタオルのみですが、結構小さなカスが出てきましたよ。
その後、メインの軸を手で回してみると!
断然回転具合が軽いッ!全く違います。
ケース内に内臓されたベアリングは見えませんが、これだけ回転具合に変化があると、まさに原因がそこにあったと言えそうですね。
これらの作業でとても助かったといえば、手の届かない場所の汚れカスを吹き飛ばしてくれるこちらです。強力なほど良いのはお分かりかと思いますが、ご家庭ではなかなかコンプレッサーのようなモノはありません。ですが、こちらは代用として十分に活躍してくれます。
ギア周辺にグリス塗布と組み立て
ある程度 回転が改善され、これ以上は自分ではどうにも出来ない・・というところまでキレイにできれば、全体にスプレーグリスを塗布します。
あとは元の通りに組み立てていきます。
まとめ
このように自分でも改善出来ることがあるので、修理交換に出す前に一度内部を確認し掃除をしてみましょう。
思った以上に簡単に改善出来ます。
もちろん、一体型のベアリングの分解は出来ず交換が必要になることもありますが、それまでに直すことが出来ればラッキーですね!
それでは快適なフィッシングライフを送りましょう~
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