魚の「ボラ」といえば身としてはあまり好まれることがない。
理由はその魚の身自体の匂いを敬遠されることが多いが、内臓にあるこの部分は臭みは全くなく一匹に一つしかない貴重な珍味なのです。
ボラとは
5m前後の沿岸域や汽水域で生息していることが多く、マングローブが茂るような場所でも生息しているそう。
イメージとしてはあまりキレイなところにいるイメージではなく、濁った川付近や水面が泡立っていそうなどんな環境でも対応できる?魚という感じですが、同じボラでもその「味」は生息環境により異なります。
例えば、排水が流れ込む汽水交じりの海水域なのか、完全に海水しかないキレイな場所で生息しているのか。
魚が捕食するエサとなる栄養分の種類によっても大きく異なります。
全く海水しかないキレイな水で生息していたボラは焼き魚にしてもとても美味しい。
そして今回ご紹介する一般的に「ヘソ」と呼ばれる部分は臭みや苦みは全くなく一言で美味しい!珍味なのです。
ボラ(オニボラ)の内臓を確認する
できる限り内臓周辺に触れないように、お腹に包丁を入れ内部を確認してみます。
画像内の青〇内にその「へそ」はあります。
人差し指の先には心臓、親指との間にはエラが見えていますね。
青〇部分のわちゃわちゃとしている内臓部分を指で少し探ってみます。
そうすると画像↑の赤矢印先のような丸い形状の少し手応えのある部位が現れます。
これが一般的に言われているボラの「ヘソ」です。
この部分を取り出してみます。
内臓の部位としては胃の入り口付近に位置し、幽門と呼ばれる人間で言うと十二指腸に繋がる胃の部分だそうです。
ボラは泥や砂地ごと捕食することもありそれらごとキレイにするためこのように発達したと思われます。こちらをもう少しキレイにしてみます。
ボラのヘソを食べる
状態:完全海水域生息で獲れ保冷しておいた翌日のオニボラです。
こちらが周囲をキレイし洗った状態です。
中心部は筒状になっていて異物が詰まっているのでしっかりと洗い流しましょう!これをしっかりとキレイにしないと、匂いや口の中での食感が悲しいことに・・・
キレイに真水で洗っただけの生の状態ですが、、、
このまま醤油をちょいとつけて食べることができます!
感想は『 おいしいッ! 』
食感は貝の仲間に似ているというのが我が家での印象です。
歯応えはとーっても優しい~感じの砂肝にも似ていますが、海の風味も踏まえ「貝」を連想させました(何貝かは出てきませんが・・)。
嫌な臭いや苦みは全くありません!
この状態のままではちょっと・・という場合には半分に切るだけでも更に食べやすくなります。
こちらの画像↓は半分に切った状態です。
個体の大きさによりこのヘソ部分の大きさも異なるので大きな場合には薄くスライスし刺身としていただきましょう。
今回は新鮮な状態なのでそのまま醤油をつけて食べましたが、生ではちょっと・・という方は焼いたり揚げたりし火を通しましょう。
ボラ一匹にたった一つの貴重なヘソ
「ウス」や「ヘソ」、「ソロバン」なんて呼ばれている部分は知らなければ内臓と一かたまりで処分してしまいそうですが、身よりも美味しいと感じてしまうほど。ですが、新鮮な状態のこの部分のみをある程度の量を確保するには・・・
というわけで、たまに食べることができる新鮮な少量の貴重な珍味として今後も頂きたいと思います。
ボラと言えばカラスミが有名ですが、今回のヘソも踏まえ、身よりも断然内臓が人気のあるボラ達なのです。
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